フィルムの露出の基準値をどうするか

フィルムスキャンはデジタル撮影の露出調整の技術

そのままスキャンした状態:明るい部分は適正露出
そのままスキャンした状態:明るい部分は適正露出
ハイキーに振ってスキャン:明るく補正して、暗部の階調を残す
ハイキーに振ってスキャン:明るく補正して、暗部の階調を残す

 上の状態が、フィルムスキャナーが適正に自動調整した明るさです。

一般の方はこれでも十分かもしれませんが、こだわる作品づくりのための「フィルムスキャン」なら、下の画像の状態に補正してからスキャンします。

 

 目的は、

 

  • デジタル化した場合の暗部の階調を引き出すため
  • 最終的な画像仕上げを意識した時の素材画像として最適化するため

 

 その理由は、以下に説明します。

 

シンプルにいえば、こういうことです。

 

 「明るい目にスキャンして、後の現像仕上げで最適状態まで暗くする」

 

 

 

 

 

 

フィルムとデジタルのちがいを理解する

 フィルムのネガ・ポジの露出値は、とても重要で難しい問題です。

 

 昔のカメラ雑誌を読むと、記事のほとんどは「露出」がテーマです。

 

 デジタルカメラの時代になっても、理想的な色や明暗の階調を引き出すには、撮影時に適正露出にする必要があります。

 

 フィルムスキャンも、ネガ・ポジという被写体をデジタルカメラで撮影するのと似たような作業になるので、スキャン時にはプリスキャンを行い、そこで色補正を行います。
(この手間が1枚30分以上かかる場合もあります)

 

 しかし、実際に撮影現場で最適な露出に合わせることは熟練したカメラマンでも困難でした。ポジの豊かな階調と色を引き出すためには、熟練した技術と目が必要です。

 

 もし、機械でスキャンするだけのデータでよければ、コストは3分の1ですみます。しかし、お客様できちんとデジタル現像による色補正、調整を行うことが必要になります。

 フォトワークスでは、スキャンしたほとんどの写真を色確認し、必要な色補正を手作業で行っています。

 

 

フィルムをデジタル化する難しさ

 ポジはデジタルよりもはるかに階調が豊か(ダイナミックレンジが広い)といわれます。実際に、色自体の発色も、現在のデジタルの初期状態よりも優れています。

(撮って出しの比較の場合の話です)

 

 やはり、ポジをフィルムスキャンしただけではポジの階調に近い状態にはなりません。若干、明るい目の階調に調整することが必要です。その理由は、デジタル画像の特性にあります。

 

  • デジタル画像では暗い画像の階調を豊かにすることは難しい。
  • ポジの暗い部分をデジタル化後に明るくすることはとても難しい(ノイズ)

 

 ※本当のプロ向けには、ポジをスキャンする段階では「暗い部分の階調」をデジタル化することを優先するします。これはスキャンする前に、ヒストグラムを多少右に振って本スキャンを行います。もちろん、ポストプロセスでの作業は必要です。

 

  1. ポジフィルムは多少明るい目(白飛びしない程度に)にスキャンします。
  2. デジタル現像で仕上げる段階で、暗く補正をかけます。

 

 

スキャン機材の技術による解決策

 マルチエクスポージャーというフィルムスキャン技術をフォトワークスは使っています。これは、2種類の光源により2回のスキャンを行いそれを一つの画像にすることで、デジタルスキャンのダイナミックレンジを拡張する技術です。

 

デジタル現像仕上げによる解決策

 単純に、画像を確認用にデジタル化する場合は、1200dpiでコストの安いフィルムスキャンをオススメします。

 色や光の階調はパソコンモニタで確認出来る程度で良い場合です。

 

 一方で、フィルムのネガ・ポジの画像を、徹底的にデジタルデータで表現したい。できれば、同じか、それ以上に仕上げられないか、というご要望もあります。

 

 そんな場合には、デジタル現像仕上げをご利用ください。

 

 

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